ご家族を亡くしたら、死亡届の提出をあと回しにしてはいけません
人の死は、予想がつくこともありますがまったく不意にやってくることもありますね。後者の場合は、驚きや悲しみはひとしおでしょう。
しかし家族の不幸に襲われた場合、ショックがどんなに激しくも必ず期限内にやらなければならないことがたくさんあります。
その第一歩が死亡届の提出です。そして、死亡診断書や死体の火葬・埋葬許可証の処理も大切です。忘れていると、葬儀の日程や相続手続きに支障をきたします。適切に済ませないといけません。
死亡届を提出するなら
1.死亡届の提出期限は?
死亡届の提出には期限があります。現在の規定では「死亡したことを知った日」から7日以内にしないといけません(「死亡した日」とは限りません。万一、近い身内が亡くなったことをすぐに知ることができなかった場合は、知った時点で速やかに手続きを行いましょう)。
なお、国外で死亡した場合は「死亡したことを知った日から3ヶ月以内」と規定されています。
実は死亡届を出さないと、「死体火葬許可証」を発行してもらえません。葬儀を速やかに行う上でも、死亡届の提出は重要です。
葬儀・火葬等は通常、死亡日から数日以内に行うことがほとんどですね。この事実は、現実には2~3日以内に死亡届提出を済ませる必要があることを意味します。
2. 死亡届を手に入れる場所は?
全国のどこの役所・役場でも置いています。
また、病院でも手に入ることが圧倒的に多いです。特に死亡診断書とセットになっていることがほとんどです。両方まとめて手続きしてしまうほうが、無駄がありません。
3. 死亡届を提出する場所は?
提出先は、以下のいずれか(にある、役所・役場の戸籍関係の窓口)になります。
- 死亡者の本籍地(「死亡者の住所地」ではありません)
- 死去した場所
- 届出人の住所地
- 届出人の所在地
ちなみに、人はいつ亡くなるかわからないため、全国の役所・役場では基本的に、日時に関係なく死亡届の受理を行う体制をとっています(つまり深夜でも土日祝日でもOKです。しかし、建物の前にいる守衛に話しかけてわけを説明し、指示を仰ぐ必要があります)。
※ただし、支所や出張所の場合は夜間や休日には無人と化す可能性があります。
この場合は業務時間になるまで待たないといけません。
4.死亡届を出せるのは誰なのか?
死亡届の届出人になれるのは以下のメンバーです。
- 同居の親族
- その他の親族
- 同居人
- 家主や地主、その他土地家屋の管理人
- 後見人、保佐人、補助人、任意後見人
届出をするだけなら、親族・姻族でない人でもできます。
葬儀業者が、死亡届の手続き全般を引き受けてくれることがよくあります(実は届出人でなくても、窓口に持っていって提出することは可能です)。頼めるようであれば任せてしまってまったく問題ありません。
※ただし、捺印については届出人所有の印鑑で行わないといけません。
また、葬儀業者から記入項目に関して細かな質問を受けることはよくあります。その場合は積極的に協力しましょう。
5.死亡届が受理されたら?
死亡届が受理されると、役所・役場では戸籍に死去した旨を記載します。それと同時に、住民票は削除されます。
死亡診断書・死体検案書を提出するなら
1.死亡診断書
病院で人が亡くなったとき、医師は死亡診断書を発行してくれます。
病死や老衰のような自然死の場合や、死因がはっきりしている場合は「死亡診断書」を手に入れる必要があります。これがないと、生命保険等の手続きがうまくいきません。必ず担当医にお願いして、忘れずに受け取りましょう(自宅で亡くなった場合は、主治医に自宅に来てもらうか、救急車で病院に運んでから死亡診断書の作成を依頼します)。
2.死体検案書
事故死や自殺・他殺のような場合は、警察が死因を突き止める作業を行います。それが終わったら、「死体検案書」を発行してもらいましょう。
死体火葬許可証・死体埋葬許可証を提出するなら
死亡届や死亡診断書or死体検案書を提出したら、遺体を火葬ないし土葬する許可を受けることができます。許可証を手に入れないと葬儀や納骨に支障が出てしまいます。忘れずに手に入れましょう。
※火葬の場合は「火葬許可証」ですが、土葬する場合は「埋葬許可証」となります。
死亡届と異なり、これらの書類は役所・役場の業務時間内でないと発行してもらえません。
したがって夜間や休日に死亡届や死亡診断書を出した場合は、もう1回来ないといけません。
その他の書類について
死亡届や死亡診断書のほかにも、家族が亡くなった際に提出する書類は多いです。
以下に、代表的なものをまとめました。
提出する書類 手続き先 必要な準備 備考
国民健康保険資格喪失届 役所・役場の国民健康保険課 国民健康保険
被保険者証加入者の場合のみ。
年金受給権者死亡届等 役所・役場の国民年金課
または、社会保険事務所 国民年金手帳、年金証書、除籍謄本等 加入者の場合のみ。
国民年金については、死亡から14日後が期限。
介護保険被保険者証 役所・役場の福祉課等 介護保険被保険者等 加入者の場合のみ。
死亡から14日後が期限。
世帯主の変更届 役所・役場の戸籍手続きの窓口等 届出人の身分証明、印鑑等 死亡から14日後が期限。
被相続人が、3名以上の世帯の世帯主であった場合のみ。
死亡届等を提出するときに、余裕があれば一度に持参して提出するとよいでしょう。
死亡届や各種の書類の提出は、まとめて行うのがベストです
家族を亡くした直後は、気が動転していることが普通でしょう。それに葬儀をはじめやらないといけないことが山のようにあって、どうしても冷静な気分でいられないものです。
葬儀業者が手助けしてくれることが多いですが、届出人が自分で確認しなければならないことも多々あります。いざというときに時間を無駄にしなくて済むように普段から注意しておきたいところです。
これらの手続きは、のちのちの遺産相続にもかかわってきます。要確認事項が出てきたときはお気軽にご相談ください。